全数監視のHACCP

HACCPの最も重要な点は全数の監視にあります。

従来の衛生管理方法では出来上がったものに対して抜き取り検査を行うだけで十分と考えられていました。この場合、検査されなかったものについては、確率的に大丈夫と言うことで、直接確認したわけではありません。安全性を高めるためには確率をあげるしかないと言うのが全数監視の目的です。抜き取り検査しか行われなかったのは、効率を下げないことと検査を実施することで売り物にならなくなるからでした。

HACCPではこのような検査としての実施ではなく、監視と言う実効性の高い方法で食品の安全性を担保します。そして効率を下げないために、監視する工程を限定して、その基準を明確にしています。つまり100%の検査を行うのではなく、重要なところだけを要件を満たしているかと言う観点で確認する方法です。監視によって基準からの逸脱が見つかった時には、廃棄するか基準を満たすまで再調理を実施するなどの対応方法をあらかじめ決めておきます。

やらなければならないことを決めておくことで、迅速に処理ができることや不良品がしにくい状況を確立しています。そしてHACCPが機能していることを定期的な検証によって確認し、問題があればその場で改善を実施します。対応に時間をかけないことも安全性を高められる要因と言えます。これらの全てを記録として保管することでトレーサビリティを確保することも安定した運用にとって必要です。

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