日本では1989年に労働基準法が改正され、あらゆる労働者に対して快適な職場環境を与えることを事業者に義務付けました。

これにより企業のオフィスから生産工場に至るまで空調設備が導入され、労働者にとって働きやすい現場が整っています。特に生産現場の場合、厚生労働省では100平方メートル範囲ごとに温度計センサーを設置して温度管理をしっかりとおこなうように指導されています。なぜ生産工場で温度管理の徹底を厚生労働省が指導しているのか、その理由は工場内の空調機器の効果が各スペースによって異なるからです。

労働基準法では工場に至っては約20度から26度範囲の室温を維持するように明記されていて、赤外線センサーを使用する温度計センサーで室温の管理をしなくてはいけません。人間が活動するうえで28度以上になると身体機能の低下と正しい判断をするのが困難となり、労災を招く恐れがあります。この労災を未然に防ぐために、生産工場では温度管理を重視されています。

2000年以降、日本では真夏の気温が40度近くまで上昇するようになりました。労働基準法では適切な温度管理をおこなうのは従業員数が計150名以上の企業と限定されていますが、今後は100名以下に中小企業にも適応するための法改正案が検討されています。労働者にとって働きやすい現場を用意することは事業者の務めであり、その指導と管理をするのが厚生労働省の役割であるといえます。